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評価:
本田 健
大和書房
¥ 600
(2010-09-10)
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先月、30歳になったばかり、そして来月、子どもが産まれる予定の自分にとって、このタイミングで本田健氏からこの本が出版されそれを手にすることができたのは幸運でした。
蓼科の旅行中にあっさり読むことができるボリュームでありながら、これからの10年、その先に続く人生について考えさせてくれる1冊です。
2010年は、CPA合格、会社でのポジションアップ、結婚、妊娠の発覚、結婚式、30歳、出産予定 と人生最大の節目になり、また、多くのことが順調に行っているように見えます。ただ、多くの伝記を読む限りこういった時が一番危ない。大きくジャンプした後は、きっと自分を見失いやすい、勘違いしやすい状況になっていると思います。
あらためてまわりの人を大切に、しっかり勉強して、30歳のスタートをなだらかな成長軌道にのせたいと思いました。
1.「すべてを手に入れることは不可能」だと知る
2.変えられることと、変えられないことの違いを知る
3.自分の勝ち(負け)パターンを知る
4.セルフイメージを定期的にチェックする
5.お金と真剣に向き合う
P.60
30代で、その人の「お金の人生」はおおよそ決まってしまいます。
35歳を過ぎて、急にお金持ちになる人はあまりいません。成功する人は、20代でその片鱗を見せていますし、30代には、何らかの結果が出ています。結果が出せていない人は、お金との付き合い方が、まだ定まっていないのです。
厳しい言い方かもしれませんが、30代のときに、「一生食べていける資産を40代でつくれている自信」がなかったら、将来、経済的自由を得るのは難しいと思ったほうがいいと思います。
6.パートナーや子どもを持つかどうか決める
P.72
子どもと一緒にいて、心から楽しいのは、最初の10年です。ちょうど、人生でもっとも忙しい30代と重なる人も多いでしょう。
「人生でいちばん後悔していることは?」という問いの答えで多いのは、「子どもとの時間をもっと持てばよかった」というものです。〜
子どもに必要なのは、お金でも、おもちゃでもなく、注目です。公園で、子どもがいちばん親にいう言葉は「お母さん(お父さん)、こっち見て!」です。子どもは、とにかく、「見てもらいたい」のです。ちなみに、それに対して両親が子どもにいう、もっとも多い言葉の3つは、「静かにしなさい!」「危ない!」「そっちに行っちゃダメ!」です。ここにコミュニケーションのズレがあります。将来の親子関係を暗示していると思いませんか?〜
あなたのお子さんが、将来、お父さん、お母さんが一緒にいてくれたこと、そして「愛している」といつもいってくれたことさえ覚えていたら、自信を持って何にでも挑戦していける人になるでしょう。
7.自分の居場所を決める
P.84
20代のうちは、自分の立つ場所を決めることができません。
でも、30代になったら、とにかく一つ決めてみる。そして、それをやって違ったら次に行けばいいのです。それくらいの気持ちで始めてみることです。
それをやらないで、ずっと決めないままにしていると、「年数のかけ算」が成り立ちません。
年数のかけ算というのは、年数が増えれば増えるほど才能も開発され、経験も豊かになり、人脈も増えるということです。知識もノウハウも、年数が多ければ多いほど、それだけたまっていくわけです。
8.両親とお別れしておく
P.95
親は自分のシャドー(影)です。こうなりたくないという姿を嫌というほど見せてくれます。
だから、そのネガティブな自分をしっかり見ておかないと、いつも何かを避けて腰が引けたまま生きるようになってしまいます。
親としっかり和解して、友人としてつながりましょう。
会うたびに、そして別れるたびに、感謝を伝えておきましょう。
ふだんの生活でも、親とのつながった感じは、あなたの人生をしっかりとしたものにしてくれるはずです。
9.年齢の離れた友人を持つ
10.運を味方につける
11.自分の内に潜むダークサイドを癒す
12.メンターから学び、教えを次にまわす
13.人脈を金脈に変える
14.才能のかけ算で勝負する
15.大好きなことを仕事にする
P.152
未来の歴史学者は「21世紀の最大の悲劇は、人類の大半が嫌いな仕事にしがみついていたことだ」と分析するだろうと、私は考えています。
未来の人は、私たちが、好きでもない仕事のために、縛られている姿が理解できないでしょう。ですが、そんな理不尽は、身近にいっぱいあります。
私たちの祖父の時代、大人の男性は、徴兵制によって戦争に行き、知らない人を殺すように命令されていました。いまの感覚では信じられないことです。
私が小さい頃、戦争を体験した叔父に、「なぜ、行ったのか」と聞いたことがあります。彼は、ただ「みんな行ったから、しかたなかったんだ」と苦しく、寂しそうに語っていました。そんなに恐ろしい戦場に、みんなが行くからという理由で行っていたのかと、ショックを受けたのを覚えています。
私たちの孫の一人が聞くでしょう。
「どうして、おじいちゃんの時代は、過労死のリスクもあるのに、1日何時間も満員電車で通勤して、嫌いな仕事をやっていたの?」
そう聞かれて、あなたは何と答えるでしょう?
冷静に考えれば、自分のやりたくないことを長時間やるのは、あまり健康的ではありません。一種の精神的虐待ともいえるでしょう。
16.人生の目的を知る
17.自分のお葬式の弔辞を書いてみる